逆張りか順張りか。手法の方向性を考える

トレード手法を考えるとき、最初に大きく分かれるのが「逆張りで考えるのか、順張りで考えるのか」という方向性です。どちらが正しいという話ではありません。逆張りには逆張りの良さがあり、順張りには順張りの良さがあります。

ただし、実際に手法として組み立てようとすると、見えてくる悩みどころはかなり違います。どのような値動きを取りにいくのか、損切りをどこに置くのか、どのくらいの時間で決着をつけるのか、検証に十分なサンプルを集められるのか。こうした点は、逆張りと順張りで大きく変わってきます。

SSSフレームワークでは、まず「戦略:優位性を組み立てる」ことから始めます。その戦略を考えるうえで、逆張りか順張りかという方向性は、かなり重要な分岐点になります。

逆張りは短時間で決着がつきやすい

個人的には、逆張りのほうが好きです。理由は単純で、短時間で決着がつきやすいからです。シグナル数も比較的多くなりやすく、検証していても「やっている感」があります。

もちろん、この「やっている感」は少し危ない感覚でもあります。トレードは回数が多ければ良いわけではありませんし、シグナルが多いから優位性があるとも限りません。ただ、手法を検討する段階では、ある程度のシグナル数があるほうが検証しやすいのも事実です。

シグナルが少なすぎると、判断の良し悪しを確認する前にサンプルが不足します。どの場面を採用し、どの場面を見送るべきなのか。そうした比較をするためには、ある程度の候補数が必要になります。その点で、逆張りは検証対象を集めやすいというメリットがあります。

一方で、逆張りには大きな悩みがあります。それは、損切りをどこに置くのかという問題です。

固定pipsで置くのがいいのか。それとも、ボラティリティに応じて損切り幅を変えるべきなのか。ここはかなり悩ましいところです。固定pipsにすれば管理は簡単ですが、相場のボラティリティが大きい場面では、ノイズで簡単に刈られる可能性があります。

逆に、ボラティリティに応じて損切り幅を広げるなら、相場には合わせやすくなります。ただしその場合、ロットも調整しなければなりません。損切り幅が広いのに同じロットで入れば、1回あたりのリスクが大きくなりすぎます。

つまり、単に「損切り幅を広げればいい」という話ではありません。損切り幅、ロット、1回あたりの許容リスクまで含めて考えなければ、リスクに見合わないトレードになってしまいます。

逆張りは、入り口が分かりやすく見える反面、出口や損切り設計でかなり悩む手法でもあります。

順張りはトレンドに乗れれば強い

一方で、順張りには、トレンドに乗れたときの強さがあります。方向が合っていて、相場が素直に伸びてくれれば、大きな値幅を取れる可能性があります。

損切りポイントも、直近の高値や安値付近に置きやすい。この点は、逆張りよりも分かりやすい部分です。直近高値を超えたら撤退する。直近安値を割ったら撤退する。このように考えれば、損切り位置に根拠を作りやすくなります。損切り幅が決まれば、ロット計算もしやすくなります。

ただし、順張りにも難しさがあります。トレンド方向に入ったつもりでも、不可解な動きでストップにかかることがあります。相場は、きれいに一方向へ伸び続けるわけではありません。

途中で指標発表があれば、トレンド方向にも逆方向にも大きくブレることがあります。方向性としては合っていたとしても、その途中の揺さぶりで損切りになることもあります。トレンドを狙っているはずなのに、実際には押し戻しやノイズに何度も巻き込まれることもあります。

逆張りと比較すると、個人的には順張りのほうが再現性を作るのが難しい印象があります。もちろん、これは現時点での印象です。順張りにも、相場をうまく定義できれば十分に可能性はあります。

得意なところを伸ばすのは自然なこと

今のところ、自分の中では逆張りのロジックでうまくいっている部分があります。であれば、まずは得意なところを伸ばしていくのが自然です。無理に苦手な方向へ広げるより、すでに手応えのあるものを深掘りしたほうが、手法として形になりやすいと感じています。

これは手法開発において大事な感覚だと思います。最初から万能な手法を作ろうとすると、ほとんどの場合うまくいきません。逆張りも取れる。順張りも取れる。レンジも取れる。トレンドも取れる。そういうものを最初から目指すと、かえって何を狙っているのか分からなくなります。

まずは、狙う場所を絞る。そして、その場所で本当に優位性があるのかを確認する。SSSフレームワークでは、この「狙う場所を決める」ことが戦略の出発点になります。

戦略とは、すべての相場に対応する万能ルールを作ることではありません。自分がどのような値動きを取りにいくのかを決め、その仮説を検証できる形に落とし込むことです。

それでも戦略には多様性が必要

ただし、逆張りだけでいいとも思っていません。相場にはいろいろな局面があります。逆張りが機能しやすい場面もあれば、順張りのほうが素直に機能する場面もあります。

戦略には多様性が必要です。今は逆張りのほうが自分に合っていると感じていますが、トレンドフォローもSSSフレームワークに乗せて検討する価値は十分にあります。

特に順張りは、「相場を定義する」という点ではやりやすい面があります。たとえば、上位足で方向が出ている。押し目や戻りを作っている。直近の高値や安値を基準にできる。このような形で、判断対象となる相場を定義しやすい部分があります。

逆張りでは、どこまで行き過ぎたら反応しやすいのか、どの位置で反転を期待するのかを考える必要があります。一方、順張りでは、今の相場をトレンドとして扱えるのか、どこを抜けたら想定が崩れるのかを考えやすい。これは大きな違いです。

この違いは、SSSフレームワークの中で検討する価値があります。逆張りと順張りでは、狙う相場も、シグナルの作り方も、損切りの考え方も、検証で見るべきポイントも変わります。

まずは方向性を決める

手法を作るとき、いきなり細かい条件から入ると迷いやすくなります。RSIを使うのか。移動平均を使うのか。ZigZagを使うのか。損切りは何pipsか。利確はどうするのか。こうした細部も大事ですが、その前に考えるべきことがあります。

それは、自分はどのような値動きを取りにいこうとしているのかということです。

逆張りなのか。順張りなのか。短時間で反応を取るのか。トレンドに乗って伸びを狙うのか。ここが曖昧なまま条件を足していくと、手法の軸がぼやけます。

SSSフレームワークでは、まず戦略として「どのような優位性を狙うのか」を考えます。そのうえで、シグナルを作り、チャートで確認し、過去検証でデータによる裏付けを取り、リアルトレードで実行できる仕組みに乗せていきます。

逆張りか順張りか。これは単なる好みの話ではありません。手法の土台を決める重要な分岐点です。

現時点では、逆張りのほうに手応えがあります。ただ、順張りにも可能性はあります。まずは逆張りで得られた手応えを深掘りしつつ、トレンドフォローもSSSフレームワークに乗せて検討していきたいと思います。

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